肥料の種類

肥料は有機質肥料と無機質肥料に分類されます。

分類のイメージ

ホームセンターの肥料売り場を一通り見て回れば有機質肥料と無機質肥料があること が理解できますが、両者の違いはなんなのでしょうか。 有機質肥料とはある程度自然が作ってくれたもので、動物の糞などを原料にした ナチュラルな肥料になります。 牛の糞や豚の糞、草木灰なんかが含まれており、そのままでは植物の栄養にはなりま せんが土中でバクテリアに分解されたりすることで養分となり、土壌を豊かにして くれる働きを持っています。 人里離れた山奥や耳を澄ませば小川のせせらぎが聞こえてきそうな山中のような、植木の 故郷に近い土壌を再現してくれるのが有機質肥料です。 すぐに栄養補給できないため遅効性肥料という表現をされることもあり、ゆっくりと 効果を発揮するのが有機質肥料の特徴です。 草木が弱っているから今すぐ救援しなきゃ、という場合に応急処置でこの肥料を大量に 与えてもすぐに元気な姿には戻ってくれませんが、長期に渡ってお世話するにはこの 肥料が自然に近そうなのでいいかもしれません。 無機質肥料はもっと人為的に化学的に製造されている肥料で、即効性肥料というあだ名 が示す通り養分が植木に作用して回復させるまでの期間が短いのが特徴です。 原料は硫酸カリや塩化カリなどいかにも化学っぱいものだらけで、それらが配合された 比率がパッケージに記載されているので、どんな目的で植木に肥料を与えるのかにより 複数の中から選択して購入することになります。 即効性肥料は短期間で大きな効果を発揮する分、やりすぎたり不必要なタイミングで 使用すると逆に植木の根を痛めてしまうこともあります。 誤った施肥をすると逆効果、諸刃の剣とかっこいい異名も似合いそうですし、私達の 生活っぽく表現するのなら有機質肥料は朝食のサラダのレタス、無機質肥料は通院先で 処方されるお薬みたいな感覚で捉えておけばいいでしょう。 正しく使えばどちらも植物を元気にしてくれ、喜ばせてくれますが扱い方は無機質肥料 の方がデリケートかもしれません。 植物が成長のために欲する栄養は何種類もありますが、庭の土の中には全てが充分に 含まれていることは稀で、そのままでは虚弱な庭木・植木になってしまいます。 特に重要で不足しがちな成分がチッソ、リン酸、カリで、この三種の神器が揃わない ことには人間にとってどれほど美しい庭でも庭木の健全な育成は叶いません。 しかも揃っていても過剰にありすぎると悪いことが起こってしまう恐れもあるので、 慎重にこの神器を使わなければお庭のピンチ到来になりそうです。 チッ素(N)が庭木にもたらす効果は葉っぱや茎を立派にしてくれることです。 軟弱な薄緑ではなくもっと濃く、大きくて深い緑色の葉っぱを茎に宿らせるためには チッ素が必要で、「うちの庭木は勢いがいまいちなんだよ」よ悩んでいるならチッ素 が含まれた肥料をあげるといいでしょう。 不足していると葉っぱの色が弱々しく守ってあげたい気持ちになるのですが、あまり 与えすぎても濃い葉になりすぎて不気味な印象になってしまいます。 花に対してはリン酸(P)が大きな役割を持ち、庭一面に咲き誇る花を観賞したければ リン酸を存分に撒いたり埋めたりしてあげましょう。 これが不足すると標準に比べて花の数が少なくなったりおいしい実ができなくなります。 与えすぎる弊害はそれほどないので少しくらい多めでもいいでしょう。 カリ(K)も植物の成長には欠かせない成分で、特に根っこを健康な状態にするには うってつけの成分になります。 やりすぎると異常な成長をして問題も出てくるのであまり多量に与えてはいけませんが、 足りないと根っこが弱ってしまうので致命的な障害が発生してしまいます。 植木・庭木でなくとも根は植物の生命線とも言える最重要パーツですので、この部分の 発育は庭師でなくとも注目しなければなりません。 お庭を愛している人はカリの扱いにも長けているのです。