施肥のタイミング

庭の植木に肥料はいつやるの?

バケツに入った肥料

庭木に施肥するのはどのタイミングがいいのか、これは植物の種類によっても違います が状況別に考えると元肥(もとごえ)と追肥(ついひ)に分けられます。 元肥は基肥(きひ)と同義語で、新たに庭木を迎え入れる前に植穴の底に入れる肥料 のことで、長い目で見てこれから育成される植木の土台になる肥料です。 その土壌を栄養分の多く含まれたものに変換するために用いられ、スグに養分補給を したり一時的に瞬発力を得るためではなくその土地を草木が育ちやすい場所にするため 行われる、とっても大切な開幕時の儀式のようなものです。 成長過程でどんなに肥料を与えるよりも、安定して栄養補給してもらうには元肥の方が 優れた効果を持っているので、現在の土の様子を把握していないとしてもとりあえず 元肥をしとくか、とこれからの成長を祈願してみなさん競うようにやっています。 意味合いから察せられる通り元肥では牛糞や鶏糞などの有機質肥料が使われ、長期に 渡って庭木の成長をサポートしてくれます。 即効性はありませんが持久性は1級品なのでまずはこれが最初の施肥になります。 やり方はいたって簡単、植え穴の底に有機質肥料(遅効性肥料)をばら撒くように、 大きく育ちますようにと念じながら入れるだけでオッケーです。 ただ根っこと肥料が直接触れるようだと良くないので、ばら撒いた上から土を被せて あげることも忘れてはいけません。 「このほうが栄養を吸収しやすい気がする」と根に直接肥料を接触させたがる人も いますがそれは大きな間違いで、根が傷む原因になってしまいます。 根と肥料が顔を合わせないよう、仲介役の土も挟んであげてください。 晴天で日光の当たる日の方が作業はスムーズに行えそうなので、雨の日に傘をさして 肥料を持つのが大変そうだと感じたのなら天気予報を見つつ、良い日を選んで実行日 を決定するのがいいでしょう。 あいにく自分が自由に動ける日は雨模様ばかりのようで晴れの日に元肥をする時間が とれそうもない、それなら簡単な作業ですし誰かに依頼しても不安はありません。 特別な能力やスキルを持っていなくてもよほどの悪天候でなければ滞りなく作業を 完遂することは出来そうですし、専門的な知識や専用の道具を使うわけでもないので 植木屋さんとは無縁の素人さんにも安心して任せられます。 あとは草木が息をひそめてまるで眠っているような冬に与える寒肥(かんごえ)も 元肥と同じ扱いになります。 芽生えの季節に備えての肥料ということです。 同じようなタイプでは収穫後、主に秋になるでしょうが精一杯美しくてはかない花を 咲かせて果実を実らせてくれたお礼にあげる肥料もあり、これはお礼肥といいます。 疲れきった樹木に対して施すので厳密には違いますし、元肥ではないのですがただ なんとなくそう思ったのでついでにここで紹介させてもらいます。 遅効性の肥料ではなく即効性の肥料でお礼をする、その心意気もなかなか心に響くもの があり出来れば毎年欠かさずやりたい儀式です。 このあたりが元肥と呼ばれるものでそれ以外は追肥になりますが、やり方は植木の種類 を問わず大きく変わるので忘れっぽい方はメモしてください。 追肥はどこにやるか、初心者にありがちなのは木の根元付近がベストだと考えている せいか幹から近距離に施肥するイージーミスです。 根っこから養分を得るのだからこれでいいだろう、と思われているのでしょうが土中 の根はもっと先端部分の細い根で栄養を吸収しています。 しかもそんなに狭い範囲に集中しているのではなく、上空で伸びている枝と同程度の 範囲に広がって伸びているのです。 なので追肥をやる場所は枝の先端部分の真下あたり、そこに穴を掘って肥料を埋めて やるのが正しい方法になります。 木の幹に近いほうがいいと思っているのならその考えは改めましょう。